96年12月〜97年1月、久しぶりのアメリカ旅行その3

8. December 29, 1996, New York City - Sarasota, FL

1) 空港へ
 AM4:30、電話のベルで起床。身繕いを済ませると枕の下に$1札を一枚置き、荷物を持って部屋を出た。カウンターの奥で寝ずの番をしている係員を呼び、チェックアウト、精算を行う。部屋代は$60.00/nightだが、州税$4.95、市税$3.00、オキュパンシータックス(宿泊税?)$2.00が加算され、実質$69.50/night、さらにコーリングカードを使ったのに、市内通話として$0.75/call、6回かけたので$4.50がかかっている。結局合計は$144.40(2泊分)だった。
 AM4:50にリモに乗り込む。まだ深い眠りの中に沈むManhattanの街を滑り出す。車はどんどん南下、15分ほどManhattanを運転した後、Holland Tunnelに入っていった。 トンネルの向こうはJersey City, NJである。Newarkと並んでとても危険な街だ。僕の乗った車はNJ Turnpikeを使わず、一般道に入っていった。はっきり言って道路の両側に広がる風景は「不気味、怖い」という感じである。EWRに着いたのはAM5:50だった。運転手にチップを$4.00ほど渡す。
 AA(アメリカン航空)のチェックインカウンターはほとんど乗客がいなかった。待つこと1分弱、カウンターに向かう。身分証明を要求されたので、AAdvantageのカードと共にNJの運転免許証を出した。ピギーバッグを預け、ボーディングパスの付けられたチケットを受け取る。すぐに発着ターミナルに向かう。EWRではAAの隣に、TWAのターミナルがある。(というか、共同使用になっている。)
 僕の乗る飛行機はAA1735、Miami経由、Kingston (Jamaica)行き、AM6:48発である。ゲートの前にはもう多くの人が搭乗を待っている。みんなもうバカンス気分の様に見えた。心なしかみんなうきうきしているようだ。この調子なら飛行機は満員だろう。搭乗はAM6:20に始まった。ゲートの前には長い列。まずお年寄りと小さな子供を連れた家族連れ、ファーストクラスの乗客が搭乗、そして順に後部座席の乗客から搭乗していく。僕の席は20H。ちょっとゆっくり搭乗した。(なお、機体はA300だった。)

2) Newark - Miami AA1735
 南国気分、バカンス気分の乗客がどんどん乗ってくる。僕の隣の席には黒人の年輩の男性が座った。どこへ行くのか聞くと、"Haiti"との返答。ハイチの政情はどうなっているか質問したが、「自分も20年ぶりにハイチに行くのでよくわからない」とのこと。ふと見回すとほぼ乗客は搭乗し終わったようだ。ほぼ満員御礼である。
 飛行機はほぼ定刻通りに、まだ暗いEWRを動き出した。しばらく滑走路に進んでいった後、飛行機は無事に離陸、僕は窓越しにEWR周辺の夜景を見下ろした。
 安定飛行に入ってしばらくすると、朝食がでた。中身はBagleとクリームチーズ(と飲み物)だけである。貧弱。食事が終わるとする事もない。仕方がないので備え付けの機内誌を読む。興味のある記事はほとんどなく、広告ばかり眺めていたが、それにも退屈するとクロスワードパズルを始める。元々英語のパズルは大苦手、辞書片手に解こうとするが全然わからない(やれやれ)。いい加減、首も痛くなってきたので寝ることにする。

3) Miami International Airport
 しばらく寝た後、飛行機が高度を下げ始めていることに気づいた。もう少しでMiamiだ。外もすっかり明るくなっている。30分ぐらいして着陸。サテライトコンコースに着いた。荷物を持って機外にでると、何と乗客の90%ぐらいが一緒に飛行機を降りた。みんなどこに行くのだろうか。とりあえずはみんなと一緒に移動用のトラム(?)に乗り、メインコンコースに向かう。次のフライトはAmerican Eagleなので、コミューター用の搭乗口まで歩かなければならない。さすがに空港内は暖かく、一部では冷房もかかっている。セーターもコートも脱いでいたが、身体が寒さに慣れてしまっているせいか暑く感じる。目的の搭乗口に着くまでちょっと迷った。
 コミューターの搭乗口は地上1階にある(多くの空港でもそうだった)。搭乗ゲート横のブースでは係員が盛んに何かアナウンスしている。ちょっと聞いてみる。どうもFt. Myers行きの便でオーバーブッキングがあり、$300の商品券を付けてVolunteerを募集しているようだ。Sarasota行きの便は問題なし。ブースに行き、ボーディングパスを見せる。ボーディングパスの半券だけが帰ってきたが、また身分証明を要求された。しかし、この係員はスペイン語訛りがひどい。そういえばアナウンスも英語とスペイン語の2カ国語である。ここは中南米の入り口なのだ。
 待つこと15分、Sarasota行き、AA5689の搭乗アナウンスがあった。さっさと搭乗口に向かう。出口には移動用のミニバスが待っている。このバスが満員になると飛行機の方に向かって進み始めた。5分ぐらいでプロペラ機が多数見えてくる。Sarasota行きの機体はSAAB340。せめて安定感のあるATRがよかった(そんなことを言っても仕方ないが)。そういえば昔はAmerican EagleにはSAABよりももう一回り小さい飛行機があったような気がするが。
 小さい飛行機だけに、すぐに全ての乗客が乗ってしまう(ほぼ満員だった)。女性のフライトアテンダントが1名。出入り口が閉められ、プロペラが両方とも回り出すと、滑走路に向けて走り出した。あまり揺れませんように。

4) MIA-SRQ AA5689
 ゴウゴウとプロペラが音を立て、滑走路を走り出す。あっと言う間に機体が浮き上がった。Sarasotaまで約1時間のフライトである。さて何マイルだろう。ボーディングパスの半券を見ると、"Miles"とだけ書いてあって、飛行距離が書いてない。あれっ?
 安定飛行にはいるとアテンダントがジュースを配る準備を始めた。と思ったら機長がアテンダントに何か連絡をして、シートベルトサインをつけた。さては乱気流か?ジュースのカートが再びしまわれるとすぐに、機体が揺れだした。外を見ると下には一面の雲が広がっている。揺れること約10分、再び安定飛行に戻ると、ジュースを配り始めた。オレンジジュースをもらう。
 しばらくすると雲も切れてきた。Sarasotaはいい天気だろう。ジュースカップの回収が終わると、すぐに高度が下がりだした。窓の外にはメキシコ湾とKey(島)、それにSarasotaが見えている。あと少しでSarasota、ホストファミリーが空港で待っているはず。

5) Sarasota空港
 着陸、出入り口が開くと、前から順に乗客が降りだした。外にでると南国の日差しが照りつけてきた。ターミナルに歩いて向かう。空港職員が扉を開け、中にはいる。入ったところでホストファミリーが待っていた。二人とも70歳を越えているのに本当に元気である。95年2月以来、約2年ぶりの再会である。二人と抱き合って再会を喜びあう。そういえばこの二人、昨年の9月で結婚50周年を迎え、家族、親戚一同と大きなパーティーを開いてお祝いをしたとのこと。
 EWRでチェックインしたときに預けた荷物がなかなかでてこないので、しばらく待つ。この空港は何年か前に立て替えられたため、とても新しく、きれいな建物である。ただ、コミューターは空港の端にある専用ゲートに発着する。5分ほど待って荷物がでてきた。荷物もコミューターはとても小さな専用の場所からでてくる。ホストファミリーにデイバッグとポスター、それにコートを持ってもらうと、3人で車に向かう。これから3泊4日のステイの始まりである。