今年の8月、夏休みの台湾旅行第2回目、2日目です。
この日は国内線に乗って台北から台南へ移動、その後台南観光でした。
2001年8月15日
1. 松山空港〜台南へ
AM6:00にモーニングコールが鳴る。眠い。昨日は隣の部屋が夜遅くまで騒いでいた。どうやら香港から来た若者らしい。ただででも声のでかい広東語が安眠妨害してくれた。
ちょっと早めに起きたのは、朝食を食べるため。YMCAにもカフェテリアはあるが、外に出れば朝食を売っている店や屋台がいっぱいある。もちろん安いしメニューも多い。ある店で豆漿(豆乳)を指さして2つ!と言うと「熱いの?冷たいの?」と聞き返される。「冷たいの」それとサンドイッチで二人分しめてNT$45.00。妻はコーヒーが欲しそうだが、我慢しなさい。
AM7:15にチェックアウト。ついでに16、17、18日の予約をお願いする。しかし18日だけは満室とのこと。とりあえず17日、18日だけ予約を入れる。まあ何とかなるかな。
YMCAの前でタクシーを拾い、「松山空港へ」と告げる。運転手はヒルトン横から大通りに飛び出し、アクセルを踏み込んだ。全く台湾のタクシーは運転が荒いんだから…と思いつつ、北京語のラジオを聞き流していると、15分も走らないうちに松山空港(TSA)に到着。NT$165だった。
取りあえず復興航空のチェックインカウンターへ。国内線専用と言うこともあるが、ちょっと狭い空港だ。チェックインを済まし、ボーディングパスをもらう。裏には生命保険会社の宣伝が入ってる。GE525、AM8:55発、ゲートは5。
2階に上がり、取りあえず時間がある…が…貨幣が少ないので、1杯のコーヒーを妻と分けて飲む。
しばらくしてゲートに向かうが、別の航空会社の名前がある。あれ?となりのゲート4にGE525、台南とある。北京・台湾・英・日のアナウンスが流れる中、オレンジ色の尾翼に紫の龍が描かれている復興航空に乗り込む。
復興航空のTSA-TNN(台北・松山−台南)は実は、2回目の利用。1時間弱のフライトだ。離陸の時に外を見ていると、松山空港が本当に街の中にあるのが分かる。それに華信、遠東などの国内線専用の航空会社が見える(中華、長栄はないのか?)
1時間もしないフライトなのに、チーズケーキと飲み物が出る。お味はまあまあ。そう言えば前回乗ったときはサンドイッチだったなぁ…。それにモニターではビデオ上映。機体もきれいだし、これで操縦がもう少し優しければいいんだが…。やっぱり空軍上がりのパイロットなのかなぁ。
台南は軍用空港。タラップを降りた乗客は全てバスに乗り込んでターミナルに向かう。あちこちに戦闘機がいたり、軍人の姿が見えたり、ちょっとピリッとした雰囲気。その中をバスは進むのだが、あれれ?空港を出て道路の反対側まで行ってしまう。どうやらターミナル改装中で仮の建物が道路の向こうにあるらしい。
2. 台南観光
バスから降りると、すぐにタクシーに乗る。「台南大飯店まで!」と言うと、よしきた!とばかりに運転手がアクセルを踏み込む。ついさっき、台北で松山空港まで乗ったタクシーとは比べものにならないぐらい運転が荒い。おわ〜っ、事故りませんように。思いとは裏腹に交差点何するものぞ、信号が赤でもちょっとスピードを落とすだけで素通りしてゆく。お〜い…(しばし絶句)。と…と…取りあえず無事に台南大飯店には着いたが、寿命が縮んだ。
気を取り直してホテルに入る。台南大飯店は台南駅前に位置し、台南では指折りの高級ホテル。カウンターの女性に英語で声をかける「今日予約があるんだけど」。女性はたどたどしい手つきでコンピューターを操作。胸には「実習中」のバッヂ。「予約はありますが、チェックインはPM1:00からです」。まだ11時だ。仕方ないな。
荷物を預けるとまず台南駅へ。明日の自強号を予約しなければ。PM1:30の自強2005号を予約、2人でNT$1763。大小2種類のチケットをくれる。
その後、歩いて赤嵌城へ向かう。途中で地図を見ていると、おばさん…というよりおばあさんに声をかけられる「どこにいくの?」あら、日本語だ。「ここ」と地図を見せると「それじゃ連れて行ってあげる。ついてきて」と言われる。お言葉に甘えておばあさんについてゆく。3分ぐらい歩くと、「あれがそうだよ」と指さされる。道路の向こうにそれらしき建物。「ありがとうございます」とお礼を言うと、おばあさんは満足そうな顔をして横断歩道を渡っていった。ほんとうにありがとう。
赤嵌城の門の前 |
赤嵌城は2つの建物とその前に大きな中庭。建物の土台には石碑が並べてある。よく見ると漢字だけではなくモンゴル文字のような字で書いてあるものもある。説明文によると女真(満州族)文字だとか…。もとはオランダが造ったプロビデンシャ城なのだが、あまりそういう雰囲気は残っていない。後に中国風に作り替えられたのだろうか?
建物に入り、観光がてら写真を撮る。どうやら日本人ツアー客がいるらしく、現地のガイドが訛りのある日本語で説明する声が聞こえる。
建物の中に冷房があるわけでもなく、取りあえず観光を終えると道路の向こうにある大天后宮に向かう。何度も書いてるが、台湾の寺社は屋根を始め、とても装飾がきれいだ。線香の匂いが漂う境内に入り、先に来ている台湾人の女の子に習って、祭られている神様(?)一人一人に手を合わせる(本当は線香をあげるらしいが)。
その後、赤嵌城の前の出店でヒスイの飾りを物色(妻が)。パラソルの下で20歳ぐらいの女性が出店を出してる。「これいくら?」「100塊」。「こっちは?」「こっちは120塊」(北京語)。妻に「100元だよ」「こっちは120元だって」と通訳するが、結局何も買わず。
大天后宮の写真 |
赤嵌城と大天后宮を見た後、昼食を食べに向かう。行き先は度正月。後で地図を見たら、直接行けばもっと短い距離だったのだが、何せあまり知らない街なので、取りあえず台南駅前のロータリーに戻り、そこから中山路を歩いて民生緑園まで向かう。よく見ると、シャッターを下ろしたままの店が多い。5月に台湾に来たときに、台北の行政院で労働者のデモがあり、特に台湾南部の雇用情勢の改善を訴えていたのを思い出した。台湾も景気は悪く、特に南部の方が失業率が高いらしい。その影響か、空き部屋、シャッターを閉めた店がかなりあった。
ちょっと遠回りをしたため、20分ぐらい歩いたかな。強烈な暑さに妻も私も言葉が少なくなった頃、やっと度正月に着いた。担仔麺の有名な店なのに、ちょっと見たところは普通の小飯とかわりない。歩道(正確には店の敷地になるのだが)にテーブルと椅子を出している。店を正面から見ると右手にかまどがあり、そこに女性が座って麺をゆでている。横から別の女性が日本語で「どれにします?」と聞いてくる「ええっと、担仔麺の大と米粉の小を一つずつ、それと香腸と玉子を一つずつ」日本語が通じると楽だ。それにメニューがかまどの前に書いてあるから、最悪指させばいい。
奥のカウンターに腰をかける(テーブルはいっぱいだった)。5分ほどでお椀に入った担仔麺が出てくる。香腸と玉子にはすったニンニクがかけてある。お味は、汁も濃すぎず、日本で食べるよりはよっぽどおいしかった。ちょっと量が少な目だが、まあいいか。店を出るときにお金を払う。NT$145、安い。
度正月: 台南市中正路16号 TEL: 06-223-1744
3. 台南大飯店
度正月から民生緑園を経由、中山路を戻る。そろそろチェックインできる時間だ。暑い中をてくてく歩き、ホテルにはいるとドアマンがうやうやしい態度で「お帰りなさいませ」と日本語で言う。う〜ん、そこまでやらなくても…。
カウンターで「そろそろチェックインできる?」と英語で聞くと、「パスポートを」と言われる。特に作業がとろいわけでもなく、すっと鍵が出てくる。部屋は237号室。ポーターが荷物を持って案内してくれる。部屋にはいると、窓はあ
るが薄暗い。デスクの上に紙があった。「当ホテルは現在改装中であり…」。あ、そうか。
部屋はそこそこ広く、テレビはNHKの衛星放送が入る。アメニティーはシャンプー、リンス、ボディーソープなど。それにお茶と沸騰ポットが付いている。冷蔵庫の中にはワイン、ビール、コーラなど(飲まなかったけど)。ここは5月に泊まった来来大飯店ほどしめっぽくもカビくさくもなかった。
4. 安平観光
ちょっとホテルで休憩した後、再び炎天下の中観光に出る。今度は郊外の安平地区だ。歩いていける距離ではないので、タクシーに乗る。覚悟はしていたのだが、運転が荒い…せめて信号が赤なら止まって…。15分ぐらいで安平地区に入り、観光の目玉(?)安平古保の前で止まる。NT$165は高くはないが、もうちょっと安全運転をお願いしたい。
安平古保 |
安平古保はその昔、台湾を占領したオランダが造ったゼーランダ城が始まり。階段を上り、建物の中に入る。いくつか展示があるが、奇美実業(台南の企業)が寄付した展示物には、後藤新平(台湾総督)についての記述があり、後藤総督時代、台湾がいかに発展したかが書かれている。
ふと下を見ると、ちょっと古い建物がある。これは台南市永漢民芸館。名前にもあるが、邱永漢氏が集めていた台湾、台南地域の民俗に関係ある文物が展示してある。ところがこの建物、非常に管理が悪い。展示物に云々と言うつもりはないが、温度管理もいい加減でエアコンは2台のうち1台が壊れていた。これじゃ展示物が傷んでしまうのではないか。そう言えばベネチアの美術館も温度管理なんかしてなかったなぁ…。
古保を出た後、古市街をぶらぶら。台湾の古い街並みが残っている地域。赤煉瓦の建物が狭い道の両側に続いている。ちょっと歩くと迷いそうになったりするが、台湾の伝統的な建物がどんなものか分かる。
古市街の廟の横 |
狭い路地を歩き、写真を撮りながら進んでいると廟の横に出た。すぐに大きな通りに出る(安平路)。出店が出ていたりして、歩道が歩けない…。仕方ないので車道を歩いて安平開台天后宮に戻る。大きな鳥居の向こうにきらびやかな天后宮が見える…ただし修復作業中で足場が組んである。鳥居の下にはタクシーが1台、運転手はどうやら屋台で一服中らしい。天后宮前で別のタクシーを拾い、台南市内に戻る。とにかく強い日差しで観光もそこそこになってしまった。冷房の利いたタクシーがありがたい。でも信号守らないけど。
5. 夕食、阿霞飯店 (台南市 忠義路二段84巷2号、TEL: 06-223-1418)
取りあえず日が暮れるまで外に出たくない。ホテルに戻ってテレビを見ながら休憩。夕食はここに行きたい!妻の強い要望で「無敵の台湾」(まのとのま著)に出ていた阿霞飯店に行くことにする。また民生緑園まで歩くことになるなぁ。
JCBの王小姐が「台南は台北より治安が悪いですよ」と言っていたので、日が暮れる前に出かけることにした。夕方でもまだまだ暑い。再び中正路を歩き民生緑園をぐるっと回り、ちょっと迷いながら阿霞飯店を探す。すぐ側に廟があるせいか、店の側にはお供え物を売る店だらけ。
阿霞飯店はカニ、ムツゴロウなどの魚介類料理を出すお店。ただ庶民的なお店で、店の中もあまり飾り気がない。円卓が10卓ぐらいあるだけ。私達が入ったときは先客が2組だけしかいなかった。
テーブルに着くと、日本語のできるおばさんが来る。「メニューありますか?」と聞くと「ないです」あらら…「無敵の台湾」を見せながら、「蟹入りおこわと、あと何がお勧めですか?」と聞くと、「ムツゴロウのスープ、からすみはどう?」と聞かれる。う〜ん、からすみはいいや。「それじゃエビ団子は?」「あ、エビ団子は下さい」「大根餅は?」「それもお願いします」。値段も聞きながらメニューを決めてゆく(蟹入りおこわはNT$700、ムツゴロウのスープはNT$400だったかな?)。飲み物は、と聞かれるがお茶だけにしておこう。帰りにコンビニでビールを買えばいいや。
お茶を飲みながら厨房の方を見ると、「無敵の台湾」に似顔絵が出ている女性がいた。この人が「阿霞」さん。
料理は…というと、蟹おこわは蟹がちょっと固め(ぶつ切りの蟹が入っている)。蟹だけにカラから身やタマゴを外すのに一苦労。でもおこわはおいしかった。ムツゴロウのスープはあっさりした味でおいしかった。エビ団子はアツアツ、大根餅もアツアツ。最後にデザートで冷した汁粉と杏仁豆腐を足して2で割った様なものが器に入って出てきた。これはサービス。
みんな食べ終わった頃、店は地元の人たちで大にぎわい、みんな台湾語で大きな声でおしゃべりしながら食事を楽しんでる。
会計を頼むと、今度はご主人らしき男の人が計算をする。はいっ、と差し出された紙を見るとNT$1,450と書かれている。二人分とは言え、お酒を飲まなかったにしてはちょっと高かったかな?
すっかり暗くなったが、まだ人通りも車通りもバイク通りも多い。取りあえず変なことに巻き込まれないように、ちょっと早足でホテルに戻る。まだぬるま湯の様な空気がまとわりついてくる。やっぱり真夏に台湾に来るのは考えた方がいいな…。3回目にしてやっと悟った。早く帰ってシャワー浴びてビール飲もう。
続く。