8/13: 台北、故宮博物院は何度行ってもいいなぁ

1. 朝食
 朝7時に目が覚める。 身繕いを済ませると朝食を買いに表に出る。さあ、どれにしようか…。饅頭、サンドイッチ、豆漿、フルーツジュース、目玉焼きその他諸々…。結局買ったのは豆奨と油条。NT$25。考えてみれば2日目も同じ朝食だったな。たぶん日本にいたら豆乳なんて飲まないだろう。でも台湾では毎朝のように豆奨を飲んでる。
 朝食の後すぐに出発したかったが、財布の中の台湾元が残り少なかったので銀行で両替をしなければならなかった。9時まで待たなければ…。テレビをつけチャンネルを回すと、客家語ののど自慢をやっていた。ふーん、客家語ってこんな言葉か、と思いながら見ていたが、ぜーんぜん何を言ってるか分からない(字幕がなかったから)。最近は北京語や台湾語でも字幕のついてない番組が多い。中国語の字幕があれば多少は理解できるんだけど。すぐに飽きてチャンネルを変える。NHK衛星放送はあまりおもしろい番組をやってなかったので、CNNにする。

2. 銀行
 1時間ほどテレビを見た後表に出た。空を見上げると曇り空。今回の旅行には傘を持ってくるのを忘れたので、雨は降って欲しくないな。YMCAの前の許昌街を三越の方に歩くと、中国国際商業銀行があり、ここで両替ができる。(この角を曲がって少し行くと台湾銀行があるが、ここでは外貨両替はできない。)
 まだ開店したばかりなので客はほとんどいない。奥の方のカウンターに行き、女性職員に英語で話しかける。「外貨両替をしたいんだけど。」すると「これに記入して下さい」と言って、中国語と英語で書かれた申込用紙を出してきた。一度カウンターを離れ、この申し込み用紙に必要項目を記入する(書類記入用の机がある)。申込用紙とT/C JPY20,000分をカウンターに持って行き、パスポートと一緒に職員に差し出す。「少々お待ち下さい」といわれ、もう一度カウンターを離れる。他に外貨両替をしている人がいなかったので5分ぐらいで名前を呼ばれ、レシートと台湾元を受け取った。この日のレートはJPY1 = NT$0.2461。手数料がNT$100かかっていたので、JPY20,000で受け取ったのはNT$4822だった。8/9に中正国際空港で両替したときは、JPY1=NT$0.2485だったので、あまりレートがよくない。それに両替手数料がかからないといいんだけど。そういえば新光三越でも1階のサービスカウンターの所に為替レートを出してたな。でもレートは悪そうだ。 

中国国際商業銀行城中分行
(The International Commercial Bank of China, Cheng Chung Branch)
台北市許昌街42号、Phone: 2-312-2222 (新光三越の真裏) 

3. バスで故宮に向かう
 銀行を出ると、ひとまず台北駅前に向かって歩く(といっても大した距離ではない)そこから左に折れ、中華路に向かって歩く。本当は故宮博物院行きのバスは北門から乗った方が歩く距離は短いのだが、北門のバス乗り場がどこにあるのかよく分かっていない。北門を右手に見ながら中華路に入ると、オーディオ、電化製品の店が並んでいる。でもいつ行ってもシャッターが閉まっている。なんか寂れた感じである。この通りも地下鉄の工事をやっていて、歩道と車道の間に10mぐらいの間がある。バス停に着くと、304番のバスを待つ。ええと、確かNT$24だったよな。バスはなかなか来ない。別の路線のバスが次々とやってくる。乗る人は手を挙げて、運転手に知らせている。バスも、2車線向こうからやってきたり、結構強引な運転だ。待つこと約10分。やっと向こうから304、故宮と書かれたバスがやってきた。手を挙げる。バスが滑り込んできた。バスの中は中学生ぐらいの女の子が10人ぐらい乗っていた。にぎやかなのは日本と同じ。バスが北門のバス乗り場に着くと、そこから数人、乗客が乗ってきた。よく見ると一人の男性が歩き方を持ってる。日本人のようだ。バスは重慶北路を北上し、しばらくすると士林にはいった。ここは夜市が有名なところだが、昼間うろうろするのも楽しそうだ。士林をすぎると、もう故宮は目と鼻の先だ。
 終点、故宮博物院前に着く。でもここからは故宮博物院は見えない。例の日本人はまだ座ったまま。「終点ですよ」と声をかけると、ちょっとびっくりしたように立ち上がって言った。「ええっと、いくらでしたっけ」「24です。」バスの出口では、運転手が下手な英語で、おばさんに何か言ってる。おばさん(台湾人でも日本人でもなかった)は、「NT$12払ったじゃない。」と言い、英語がほとんどできない運転手は「NT$24」と繰り返す。実は、台北市内から故宮までは市内の倍、NT$24かかるのだが、バスの中にはそんなことどこにも書いてなかった。台北市民には常識なのだ。(実は初めて私が故宮に行った時、同じ失敗をしている)。おばさんの横をすり抜けてNT$24払い、バスの外に出た。もう一人の日本人も降りてくる(当たり前)。彼とおしゃべりをしながら故宮に向かう。彼は台湾は初めてだが、東南アジアはビザなしでいけるところは何回も行っている、とのこと。私なんかよりよっぽど旅行慣れしているのかもしれない。彼と一緒に故宮博物院の入り口への階段を上る。暑い。汗が出る。やっとの事で登ると、入り口は人だかりと警備員。どこかの国の代表団でも来てるんだろうか? 

4. 故宮博物院
 故宮博物院の中は冷房がきいてとても涼しい。この分じゃトレーナーを着た方がいいな。荷物を預けようとすると「預けなくてもいいよ」といわれた。あれ?前に来たときは確か荷物を預けさせられたような…。隣のカウンターで入場券を買う。NT$100。館内は観光客だらけ。日本語のツアーの多いこと…。北京語や広東語のツアーなんか数えるほどしか見なかったのに、日本語のツアーだけはやたらと多い。後ろにくっついて説明を聞いてもいいのだが、それじゃ駆け足で館内を駆け抜けるだけになってしまう。自分のペースでじっくり回ることにした(ただ、説明員の中には、非常におもしろい解説をする人もいるし、そういう説明にはしっかり耳を傾けていた)。一緒にいた男性は、途中で説明員の後ろについて行った。結局彼とは自己紹介もしないままだった。
 じっくり回ろう、と心に決めて展示品を見て回る。私が気に入ったのは明時代の白いティーポット(日本語でなんて言ったっけ?)。思わずガラスを破って家に持って帰りたくなった。こういう自分の気に入った展示品があるとまた来よう、という気になる。1階から2階、3階と順に見ていったがこのティーポット以上に気に入ったものはなかった。でも、故宮博物院は見るべきものがこれでもかっ、というぐらいに集まっていて、一度来ただけじゃなかなかいいものは分からない。三回来たってよく分かってない事の方が多いんだから。また次に台湾に来たときも必ず来よう、と考えながら展示物を見続ける。気がつくと、時計はとっくに正午をすぎている。まあいいや、このまま見続けよう。
 結局、故宮を出たのは午後2時半だった。外に出ると雨が降っている。ちょっとバス停まで行くのは難しい。小降りになるのを待つ。30分ぐらいしてちょっと雨足が弱まった。今だ!階段を下り、正面の門の方に向かう。しかし、門のところでまた雨が強くなった。門の下で雨宿り。また小降りになると、バス停の方に駆け出した。やれやれ。台北市内に着く頃には小降りになってくれてるといいけど。バス停のそばでは、食堂の前で男の人が店のおばさんと大声で話している。まるで喧嘩をしてるような大声だ。
 すぐにバスが来た。北門行き。いいや、乗ってしまえ。士林に着く頃には雨は止んだ。よかったよかった、と思ったのは早とちりでまたすぐに降り出した。土砂降りだ。北門に着くまでずーっと土砂降り。

5. 雨の台北
 終点、北門のバス停に着いた。雨は相変わらず。あわてて屋根の下に駆け込む。このままじゃ何時間たちんぼになるか分からない。仕方ない、多少ぬれてもいいからアーケードの下まで移動だ。台北(高雄も台南もそうだったが)建物が歩道の上にもせり出しているため、アーケードというのは正確ではない。しかし、雨をあまり気にせずに移動できるのはありがたい。歩道を台北駅の方に歩く。時々道路を横断するときだけ駆け足だ。時計は3時半をすぎている。非常な空腹。道ばたの屋台が気になるが、なかなか食べたいと思うものがない。
 途中でかなり大きな工事現場があった。ここはさすがに屋根も何もない。仕方ないのでちょっと引き返して傘を買った。NT$100。3段式の折り畳み傘だが、作りが雑。まあ、日本円でJPY400なら文句は言えない。買ったばかりの傘をさしながら台北駅に向かう。ここなら時間もつぶせるし、昼飯にもありつける。途中、台北駅にのびる歩道橋の上で、土砂降りの中乞食がはいつくばっていた(普段、雨の降ってないときもはいつくばってるんだけど)。こんな土砂降りの中じゃ、誰も来ないよ。
 台北駅にはいるとすぐに2階のフードコートに向かう。おなかは減ってるが、何にしようか迷う。結局、一往復した後、食べるものを決める。(記録していなかったたため、食べたものの名前、金額とも失念)。ここはあまり安くなかったなあ。。ただ、いろんな種類の中華料理、日本料理などの店が固まっているので、とりあえず、という向きにはいいかもしれない。
 食事をすますと、ホテルに戻る。雨はさっき以上の土砂降り。もう傘もあまり役に立たない。ホテルに着いたときには「濡れネズミ」状態だった。やれやれ、着替えなきゃ。ついでに昼寝もしよう。外は雷も鳴り出し、テレビもチャンネルによっては砂の嵐かオタマジャクシの大群になっている。

6. おきまりの「夕食」
 しばらくテレビを見ていたが、いつの間にか眠っていた。気がつくとあたりはもう暗い。まだおなかは空いてない。外はどうだろう?もう雨は止んだかな。雷はもうどこかに行ったようだ。んじゃ、ちょっと散歩を・・・。確かコンピューターショップの集まっている建物があったな。ということでこの建物"NOVA"という看板が出ているこの建物に向かう。中にはいると、コンピューターのマザーボード、周辺部品から始まって、ソフト、ビデオCDまで小さな店が山ほど並んでいる。コンピューター好きなら夢中になるだろう。私はビデオCDの再生ソフトが気になった。地下1階から最上階までいろいろ見て回る。ビデオCDのソフトを売っている店には、映画や歌手のソフトに混じって、日本のアダルトビデオのコピー(たぶん違法)がある。やれやれ…。台湾の言論の自由の実状がよく分かった。
 1時間半ほど時間をつぶすと、腹も減ってきた。 昨日とおなじ店に行く。同じものを頼む…と芸がないので、今日は牛肉飯を頼む。まあまあのお味。安いのはありがたい。 

7. アフターディナー
 別にどこに行ったわけではない。ビールを買って部屋に戻っただけ。でもちょっと食べる量が少なかったせいか、コンビニの茶葉蛋やおでん、饅頭に目がいく。でも何も買わなかった。ビールだけ。なんでだろ。
 帰ると友人に電話をかける。彼女は芦屋在住の台湾人留学生、大学2回生。初めて台湾に行ったとき、帰りの飛行機の中で仲良くなった。夏休みで実家に帰ってきているのだが、久しぶりに彼女と話をする。相変わらず人のことをおじさん呼ばわりする。そんな事するのは、他には
うちだ総統だけだが…。明日、11時に会う約束をする。明日は食事や買い物で楽ができそうだ。
 テレビをつけると、しばらく、チャンネルをあちこち回す。で、NHKの衛星放送でナチスのユダヤ人虐殺についてのドキュメンタリー映画の続きをやっていることを思い出して、チャンネルを変えた。あさっては終戦記念日だ。でもあさっては日本に帰らなければ。あーっ。帰りたくないなー。