8/12: 高雄-台北
1. ホテルを出て駅に向かう
朝6時に目が覚める。気分は昨日よりまし。急いで荷物をバッグに詰め、身だしなみを整えると、ロビーに降りて行く。エレベーターの中で最後に気がついたことが一つ。「再び売春婦が増えないための運動協賛ホテル」こんな意味のステッカーが貼ってあった。そうだった。15年ぐらい前は、日本から台湾に多くの売春ツアーが出ていた。台湾の生活水準が上がるにつれ、売春ツアーは(台湾への)は下火になっていったが、まだ売春がなくなったわけではない。中正空港から台北に向かう途中に見た売春街の風景を思い出してしまった。
チェックアウトを済ます。このホテルは料金前払いで、しかも有料放送は一日ごとに現金払いだった。(宿泊代はカードで払えたが…)。ホテルを出てまっすぐ高雄駅に向かう…前に高雄牛乳大王に入り、パパイヤミルクを買う。アルバイトらしき店員が英語で対応してくれる。英語が通じたといっては周りに冷やかされている。冷やかしている店員達も高校生ぐらい。NT$50払ったら"Thank
You"とちょっと恥ずかしそうに笑いながら答えてくれた。さーて、朝飯は駅で何か買えるかな?駅前の、昨日ネギ入りパンケーキを買ったところに行く。屋台は出てない。残念。昨日食べたできたてはとてもおいしかったのに…。駅の構内には売店があるが、サンドイッチなどしかない。ふと、駅の横の軽トラックの上に、蒸籠が乗っているのが見えた。蒸籠を指さすと、ちまきがあった。「いくら?」と聞いたつもりだったのに、おばさんは「いくつ?」と聞いてしまったらしい。ちまきを二つ袋に入れ、「NT$90」と言った。北京語で説明もできないので、NT$90払った。しゃーないな。待合室のいすに座り、ちまきを食べる。ちょっと味が薄いな。
2. 自強1000、高雄-台北
しばらくして、改札に向かう。駅のホームで待つこと5分、高雄に来たときと違って新しい車両の列車が入ってきた。トレーナーを着込むとさっさと席に座った。やっぱり冷房がガンガンきいている。となりにはちょっと気むずかしそうなおばさんがすわり、新聞を読んでいる。列車が動き出した。昼御飯は台北で食べよう。
しばらくして、この列車が台中を通らないことに気付いた。行きの列車と違ってこの列車は海線を通るらしい。実際、山の中ではなく海沿いを通って行く。これが台湾海峡に面した海か、と感慨もひとしおだった…といいたいところだが、南国の海岸を見て、ああ海水浴に持ってこいだな、と考えていた。
海もあまり長い間は見ることはできず、また両側とも陸地、家、田んぼの風景が続く。やれやれ、台北に着くまで一眠りしよう。それにしてもよくきく(眠くなる)風邪薬だ。
北京語のアナウンスがなっている。目が覚めた。もうすぐ台北だ。いつの間にかアナウンスが台湾語になってる。(同じ女性の声だった)。さあ、もうすぐ台北だ。列車が建物の間から地下に潜ると、棚の上からバッグをおろした。
3. 台北青年会国際賓館
午後12半過ぎ、列車は台北駅に到着。よし、まずホテルにチェックインしなければ。台北駅南側、ヒルトン…のほぼ真裏、「台北青年会国際賓館」ことYMCAにむかう。歩道橋を早足で降り、ヒルトンの横の道をまっすぐ進み、最初の十字路を左に曲がり、高校生の人並みをかき分け、YMCAに飛びこんだ。あれ?ロビーと食堂を改装したようだ。以前は奥にあったカウンターが入り口左手に移動している。カウンターの中には女性が3人。みんな見覚えがある。一番背の高い女性に英語で話しかける。"Do you have a room tonight for 1 person? "英語で訪ねると"Yes"の答え。ほっ。"Do you stay 1 night?"の問いに"No, I would like to stay here 3 nights"と答える。一泊NT$1,650、去年と同じ価格だ。1泊分をカードで先払いすると6階の鍵をくれた。奥のエレベーターに乗り部屋に向かう。部屋は改装してなく今までと同じ。あまり新しくない設備だが、よく手入れされている。今までと違う点が一つあった。ケーブルテレビが入っている。去年来たときには空中波3局しか入らなかったが、今回は40局以上見れる。これで夜は退屈しなくても済みそうだ。
4. 台北駅周辺をぶらぶら (1) 昼食
ホテルで一服した後街をうろうろする。まずは昼飯。南陽街周辺は予備校街で高校生や予備校生相手の安い食堂や屋台が多い。ただ言葉が通じないとなー、ちょっと躊躇するよなー。何にしようかなー。はらへったなー。とりとめのない事を考えながらぶらぶらする。するととある角におばあさんが巻きずしを売っている。一本NT$35。人差し指で1、と示しながら巻きずしを指さす。おばあさんが透明なビニール袋に巻きずしを入れてくれる。よし。角を曲がると、牡蛎入りお好み焼をおじさんが屋台で焼いてる。プレートの上のお好み焼きを指さす。NT$25。あとはコンビニでウーロン茶を買ってホテルで食べよう。どうも私の昼飯はホテルで食べることが多いな。書くと10分ぐらいの出来事のようだが、実はあちこちうろうろしたせいで1時間以上たっていた。
部屋に戻るとテレビをつけ、昼御飯を食べる。うーん、巻きずしは日本のとは味が違うな。でもおいしい。牡蛎入りお好み焼きも美味。食べながらテレビのチャンネルを適当に回すといきなり、志村けんのこえ。「だいじょうぶだあ」をやってる。おいおい、今頃やるとは・・・。(後々テレビを見ていると、「ねるとん」をやってるのを見つけた。こんなもんまで放送するとは・・・。)
4. 台北駅周辺をぶらぶら (2) CDショップ巡り
昼食が済むと、CDの買い出しに出かける。YMCAの周辺は「大批撥(ディスカウント)」と書いたCDショップがいくつかある。CDの売り上げトップ10も店によってはでてるし、じっくり値段を比較しながら買うことができる。いくつかの店のCDの価格を調べてみたが、一番高かったのはなんと、台北駅2階にあるCDショップ。次が新光三越のCDショップ。一番安かった店がNT$300ぐらいだったのに、台北駅の2階では何とNT$500になっていた。誰がこんなところで買うもんか。
YMCAの前の通り(許昌街)に戻ると、一番混みあっている店にはいる。「光南大批撥」ん?どこかで聞いた名前。そうだ、高雄でCDを買った店と同じ名前だ。店の看板には「連鎖店(チェーン店)」と書いてあるから、両者は同系列の店だ。混みあっている店内にはいる。北京語のコーナーでお気に入りの歌手の新譜を探す。ない。うーん、あんまり売れてない子だからな。次に来たときに期待しよう。次に、奥にある台湾語の棚の前にいる。ここはあまり人がいない。ただ、この店の台湾語の品揃えは高雄店に比べて少な目である。
とりあえず、何も買わずに次のCDショップに移動。この1年の間にこの界隈にはCDショップが1店(Rose Record)開店し、もう1店(大衆唱片)は新装開店、若者向けの店構えにしてある。両方とも入ってみたが、大衆唱片の方が値段が安く、しかも北京、台湾、日本、欧米、クラシック、どのジャンルも品揃えがしっかりしている。Rose
Recordは品揃えはしっかりしているが、値段が高めである。とりあえず今日は何も買わなくてもいいや。それよりももうちょっと街をぶらぶらしよう。
というわけで、4時半ぐらいまで台北駅周辺をうろうろした。それにしても、いつになったら地下鉄は開通するのだろう?地下鉄ができれば、そごうに行くにも楽になるのに。今回は暑いし、道が混んでいるのでそごうや国父記念館の方にいくのはあきらめた(ちょっと根性がない)。始めて台北に来たとき(96年1月)は、歩いてそごうまで行ったのだが…。
5. 夕食(安い食堂)
いつの間にか眠っていた。えーっと、7時半か。ちょっと寝過ぎた感じ。そろそろご飯を食べに行こう。許昌街の一本裏手の通りに安い食堂が何軒か並んでいるしそこに行けばいいや。暗くなっても若い男女で混みあっている許昌街から、やっぱり予備校生のいっぱいいる食堂街に行く。もうちょっと言葉ができればもっといろんな所に食べに行くんだけど。多くの食堂は入り口のところで調理をし、できたものが大きなトレイに入っている。この中で一件だけ、片言の英語が通じる店がある。ここに行くと、調理中のお兄さんが最初北京語で、私が北京語が分からないと知ると、英語でどれにする?ときいてきた。壁に貼ってあるメニューから排骨飯と皮蛋豆腐を指さす。奥のテーブルに座る。5分もせずに、料理が運ばれてきた。NT$130(ちょっとうろ覚え)。以前はヤクルトが一緒についてたけど、今回はなかった。経費削減かな?
夕食を食べ終わると今度はビールが飲みたくなった。近くのFamily Martにはいる。奥の冷蔵ショーケースの所に行くと、先客がいた。さっき夕食を食べた食堂で働いていて、私に料理を持ってきてくれた人だ。彼は台湾ビールに手を伸ばした…はずだったが隣の"I
Want Beer"と書かれた、ビールを手に取った。でもすぐに気がついて、台湾ビールに取り替えた。ちなみに、この"I Want
Beer"ともう一種類、台湾ビールとよく似たデザインのビールがある。さらに、他の店で「青山島(アオヤマジマ)ビール」と書かれた青島ビールの偽物を見つけた。やれやれ…。
ホテルに戻るとNHK衛星放送でナチスのユダヤ人虐殺についてのドキュメンタリーを放送している。ビールを飲みながらこの番組を見ていた。 さて、明日は故宮博物院に行こう。それに台北市のとなり、三重市に住んでる友人にも電話をしなきゃ。あさって彼女と会う約束をしていた。