Paris and New York 旅行記 1997年12月26日〜1998年1月3日
「病気のパリ」後編行ってみましょう。あっと、食前もしくは食事中の方、今は読まない方がいいですよ。
3. 12/29 Paris
朝早く目が覚める。熱が全く下がっていない。体温計は38.7度を指している。うそ…。こんな高熱を出したのは久しぶりだ。しかも昨日からの下痢も全く治っていない。下腹部の痛みとともにトイレに駆け込む(トイレは部屋の外)。
とりあえず薬を飲む。えーっと、正露丸、胃薬、解熱剤、風邪薬、食中毒かも知れないので抗生物質。しばらくすると薬が効いて熱が下がった。この間に朝食をとり(パンとコーヒー、下痢してるのに本当はよくない)、絵葉書を何枚か書く。
しかし午前10時をすぎると再び熱+下痢。ベッドでゆっくりしたいのだが、ひっきりなしの下痢でおちおち寝ていられない。腹痛の度にトイレに駆け込む。昼過ぎには胃腸の中には何もない状態。それでもトイレに駆け込まなければならない。これは本当につらかった。挙げ句の果てには吐き気までしてきた。もうおなかの中にはなにもないから、もどすことだけはなかったけど。この吐き気がしたときが症状のピークだったようだ。解熱剤も正露丸もほとんど効き目がなかった。トイレでお腹を抱えて言いようのない不安におそわれる。このまま旅行を切り上げて日本に帰ろうか?それとも病気が治るまでパリに滞在しようか?ニューヨーク行きをあきらめることを真剣に考えた。
昼過ぎになって、ミネラルウォーターがなくなった。このままじゃ薬も飲めない。熱は相変わらず38度台だったが、外に出て水を確保する事にした。歩いて1、2分のところにある店にはいる。ガラス越しに、サンドイッチやパテがおいてある。ああ、体調がよかったらここで食事を買って帰るのに…。熱でぼーっとした頭で必死にフランス語を思い出す。"Trois
Eau Minerales et duex juse orange"(綴りは適当)、とやっとの思いで言う。店のおばさんがエビアンを3本とオレンジジュース(缶入り)を2本出してきた。合わせて31FF。安い安い。しかし、無精ひげをはやして、いかにも病気のような顔をしたアジア系が店に入ってきて、おばさんもびっくりしたのではないだろうか。それでも、明るく、親切に対応してくれたおばさんに"Merci"と言って店を出、ホテルに戻った。
ホテルでオレンジジュースで薬を飲み、また横になる。汗が出てきて少し熱が下がったようだ。でも下痢が止まらない…。何度もトイレに駆け込む。
しばらくするといつの間にか寝てしまい、目が覚めたら夕方だった。まだ熱は高いし、下痢もひどい。食事なんかとれる状態ではない。薬を飲むだけだ。ああ、明日熱が下がらなかったら、本当にスケジュールを変更しなければ…。
というような悲惨な1日でしたが、反省すべき点は、
1) 原因が分からないのに、色んな薬を飲みすぎている。母親が薬剤師のため、抗生物質も手に入りやすい。結局、ろくにきかないのに「念のため」と、いろいろな薬を飲んでいた。これはかえって危険なこともあるので、避けた方がよかった。
2) さっさと医者に行くべきだった。考えてみればC/Cに旅行保険も付いているのだから、サービスセンターに連絡して、医者にかかればよかった。旅行に出る前に、サービスの内容をもっとしっかり読んでおくべきだった。
という点でした。
なお、帰国後、このことを母親に話すと、「風邪(インフルエンザ)」とのこと。食中毒の方にばかり目が向いていたので抗生物質まで飲んでいたが、原因は全然違うところにあった。ということは抗生物質なんか全く意味がなかったわけだ。ああ…。
というわけで、パリ滞在3日目は「悲惨」というほかない、長い一日でした。
次のレポートは、「NYCへ」。次の日には、なんとか飛行機に乗ることができるぐらいの体調になりました。