その8 |
第8回目、今回はStrasbourg編です。ちょっとスタイルを変えてみました。

8/14 (Fri) ストラスブール
1) 街並み
- ストラスブールの位置するアルザス地方は、歴史的にドイツ、フランスの間で何度も取り合いになったところ。ということは、ドイツっぽい街並みがあることだろう、と期待する。でもホテルの周りは特にドイツ風の雰囲気もなく、普通のフランスの街並み。看板も、人々の話し声もフランス語だけ。何か期待してたのと違うなぁ。
- 大聖堂に向かって歩いてゆく。大聖堂の塔が大きくなってくると、周りの家並みがちょっとずつ変わってきた。大聖堂の周りの建物がどれも、白い壁に黒い木の柱、それに屋根の形も違ってきている。これが典型的なアルザス風の建物のようだ(後で写真を見直してみると、壁は白だけではなかったが)。ストラスブールの中ではこのアルザス風の建物、観光客の多い地域に集中して立ってる様な気がした。
- 大聖堂の塔に登ってみると、褐色を基調にした屋根が広がっている。建物の壁に黒い木の柱がない建物も多いのだが、屋根の形の大半はパリのそれとは違っている。これがアルザス風の建物か・・・と一人納得する。
2) 大聖堂
- ストラスブールの街の中心、いや、観光地の中心の大聖堂。パリのノートルダム大聖堂が白っぽいのと対照的に、褐色か焦げ茶に近い色の石で組まれている。パリのノートルダムやミラノのドゥオモなどと同じゴチック建築なのだが、何か違う。よく見ると、装飾が簡略ですらっとしている。派手な装飾のゴチック建築を見慣れている目には、ちょっとすましてよそよそしい感じがした。
- 中に入ると、ステンドグラスが左右に並んでいる。どれを見てもすばらしいデザインだ。中央の祭壇上の天井には聖人の絵が描かれている。この大聖堂、特に有名な物があるわけではないが、右手奥に珍しい物があった。天文時計だ。屋内にあるだけにあまり大きな物ではないが、時間になると何かからくりが始まるらしい(そこまで我慢できず、別のところへ行ってしまったが)。
- この大聖堂、塔に登ることができる。が、一度外に出て別の入り口から入らなければならない。入り口で20FFr払い、ゲートをくぐる。そこには注意書き。「この塔への階段は330段あります」えっ、と思うのも一瞬、日頃の運動不足を補うためにも登らなければ。狭い階段をミズスマシのようにぐるぐる回りながら階段を上がる。途中で大聖堂の屋根を間近に見たりしながら、えっちらおっちら・・・。ふうふう言いながら登ると、塔の上は以外と広かった。塔の上から見るストラスブール、旧市街はフランス風よりも、アルザス風の屋根の方が多い。
3) アルザス博物館
- アルザスの伝統的な風俗を展示している「アルザス博物館」、川沿いのアルザス風の建物が続く通りにあった。気をつけないと、通り過ぎるかも知れない。あまり大きな建物口ではないから。
- アルザス風の典型的な建物の中身が見ることができる。ただし、「かなり裕福な」という形容詞が付くが。
- 入り口(その昔は馬車が出入りしたんだろう)から中庭にはいる…前に右手のオフィスに入ってチケットを買う(20FFr)。中庭から上を見上げると、ぐるっと中庭を囲んで口の字形に家が建てられている。順路に沿って1階からぐるぐると(?)展示を見てゆくことになる。
- 展示は、富農の家を再現した物+その他アルザスで作られた刺繍など諸々…。何故か展示の中にヘブライ文字が書かれている物が少なからずある。ある部屋にはユダヤ教を象徴する7本燭台や、旧約聖書(もちろんヘブライ語)が置かれていたりする。もちろん、全部の展示がユダヤ教関連の物ではないのだが、「アルザスの富農にはユダヤ人が多かったのか」と思わず勘違いしそうになる。
- 文字が書いてある展示物を注意深く見ていると、ドイツ語、フランス語ではドイツ語の展示の方が80%ぐらいを占めている。もちろん、フランス革命の時のビラ等はフランス語なのだが、アルザスがドイツの一部として扱われてきた時期がかなり長かったことがわかる(ドイツ語ではエルザスというそうだが)。
4) その他
- 博物館に行く前に、川下りの観光ボートに乗る(FFr40)。気温はかなり涼しいのだが、屋根のないオープンタイプの船だったので日差しがきつい。帽子が必要。船には、英、仏、独、伊のアナウンスがヘッドフォンで聴けるのだが、かなり音質が悪く、聞きづらかった。
- ドイツ国境に近いため、ドイツマルクを受け取る店も多かった。ただし、そのレートは店によってまちまち。DM1がFFr3から4ぐらいだった。
- Petit Franceと呼ばれる地域がある。Franceと名が付くのだから、フランスっぽい建物が並んでいるのかと思ったら、アルザス風の建物の並ぶ地域だった。観光ボートも、この地域を通るのでボートから見る風景と歩いてみる風景、また違った趣がある
5) 移動
- 夕方、PM7:22の列車でBaselに向かい、AM0:28Basel発の列車でパリに向かう。
- Strasburgの駅でシャワーを浴びた(料金記録忘れ)。パリのようにディポジットも要求されず、値段もパリの半分ぐらいだった。ただ、係員はフランス語しか分からないが。
- バーゼルに向かうローカル線、1等車の乗客は私一人きりだった。夕日に染まる中を列車が南に向かう。バーゼルに着いたのがPm8:40。すぐスイス側に移る。ここで4時間ほどぼ〜っとしていた。バーゼル駅のフランス国鉄のエリアは列車がないときには閉鎖されていて、列車が出る20分ぐらい前から(出入国審査と共に)オープンされる。
- 夜中12:00ぐらいに列車が入ってきたのでさっさと乗り込み、クシェットに潜り込む。明日の朝はパリに到着だ。
- なお、途中の駅から、民族衣装を着たアフリカ人が2人、一緒のコンパートメントになった。全く分からない言葉で話してたけど、どこの国の人だったんだろう。
というわけで、まだつづきます。
