その6 |
全くいつになったら終わるのか…この夏のヨーロッパ旅行記第6回目です。これじゃ、冬の旅行までに終わりそうにないなぁ…。 メモと記憶を頼りにしているので、値段とか、細かいところが分からなくなってきてます。#情報価値がた落ちですね。ごめんなさい!
気を取り直して、猛暑のベネチア2日目です。

8/12 (Wed) ベネチア
1) ムラノ島へ
- 朝、朝食の後、郵便局に行く。友人に絵はがきを出した。その後朝9時半ぐらいにムラノ島へ向かう。バポレットに乗るのだが、ちょっと離れたところにある乗り場まで歩く。今日もむちゃくちゃ暑い!店先の温度計はもう30℃を越えている。
- バポレットはベネチア(本島)の運河を出ると、ムラノ島に向かって滑り出した。日差しは地獄のような強さだが、潮風は気持ちいい。周りを見渡すと、大小の船が行き交っている。ほとんどは小さな船だが、なかには観光客用の水上タクシーなんかも走っている。そういえば、Santa
Lucia駅前のバポレット乗り場のところに、"MURANO"と書いてある帽子(船長のかぶるような帽子)をかぶったおじさんがうろうろしていたっけ(San
Marco広場にも似たような船がいっぱいあった)。
- 15分ぐらいして、ある島の教会の前でバポレットが止まり、ご老人が数人降りた。でもここはMurano島ではない。次の島が目的の島だ。2、3分でムラノ島に着いた。目的地はガラス博物館なのだが、どこで降りればいいか分からない(というより、持ってる地図には博物館が書いてなかった)、んじゃ仕方ない、というわけで最初の停留所で降りた。どこをどう歩けばいいか分からないが、とりあえずみんなが歩いていく方向に歩き出す。
2) ムラノ島を歩く
- 運河沿いに歩き出す。道沿いにはガラス細工の店が並んでいる。店は開いているのだが、どの店もほとんど客が入っていない。
- 10分ぐらい歩くと広場に出くわす。ここに中規模の教会があるので、中に入ってみる。ベネチア本島の同じ規模の教会に比べると装飾も少ないし、地味な印象を受ける。あまり観光化されていないようだ。逆に、日曜日になると地元の人々がミサのために集まってくるのだろう。教会の横には塔が建てられている。教会にも鐘楼があるので、何のための塔なんだろう?
- 教会で一休みするとまた歩き出す。Murano島はベネチア本島から離れている分、観光客も少ない。雰囲気も(本島に比べ)落ち着いた感じだ。歩いている途中で、水飲み場があり、水がわき出している。生水はだめだ、と思いつつ"Potable"と書かれているのを見つけると、たまらず口をつけた。冷たい水が気持ちいい。ごくごくと飲む。なお、この水のせいでおなかを壊すことはなかった(^^)。
- しばらく歩いても博物館らしき建物が見あたらない。店の軒先に立ってるおじさんにスペイン語で博物館はどこか聞いてみる。おじさんが指さしたのは、運河の向かい側にある、ちょっと大きめの建物。近くの橋を渡り美術館の入り口に向かう…「本日閉館」。あらら。
- しかたないので、またぶらぶらと歩き出す。あまりにも暑いので、ちょっとガラス細工の店に入り、スポットクーラーに当たって体を冷やす。ふぅ〜っ。ちょっと店の中をうろうろしてガラス細工を見てみる。
- ちょっと落ち着くと、今度はガラス細工の制作現場に入っていく。細いロープを張っただけ、1mぐらい向こうでガラス職人がガラス細工を作っている。もちろん、融けたガラスの熱気がそのまま伝わってくる。暑い暑い・・・。そういえば、去年の冬に函館や小樽でガラス細工の制作現場を見たときは、分厚いガラスの向こう側だったなぁ…。この辺もイタリアと日本の違いかなぁ?この仕事場もかなりの暑さ(そりゃ当然)だったので、再びガラス細工の店に入ってクーラーで涼む。そのままMurano島をうろうろしてもいいのだが、あまりにも暑いので外を歩くのもいやになり、ベネチア本島に戻ることにした。
3) ベネチア美術館
- Murano島から帰ってきて、しばらくホテルで休憩+昼食。その後どこに行こうかな?と悩んでいたが、美術館に行くことにした。実は(絵心はま〜ったくないが)、絵を見るのが好きである。小、中と図画工作、美術の成績が赤点ぎりぎりだった人間の言うことか?という自問自答は横に置いといて、とにかく、見るのが好きである。
- 美術館まで歩くことは…可能だ…が…この炎天下、さすがに歩く気がしなくなった。ということでバポレットに乗る。あまり関係ないが、Litは過去のインフレのせいで、やたらと0が多い。ちょっとした買い物でも何千Litということになり、思わず財布の紐を堅く結びたくなる。バポレットに乗るだけでも「え〜っ」と叫びそうになること数回、だった(でも暑さに負けてしまったが)。
- 美術館は、Academia橋から歩いて数分のところにあるのだが、昨日は気づかなかった。なお、最寄りの船着き場(たしか、"Museo"と出ていたので間違えることはないが)から歩いてすぐそこ。
- 歴史的な価値のある絵画が多く残されている美術館だから、温度管理も万全だろう、ここで涼めるかな?と考えていたが、そもそも考えが甘すぎた。なんと冷房設備がない!暑い!風が通らないだけよけいに暑い!結局、この猛暑の中で絵を見て回ることになった(入場料記録忘れ。こんなのばかり)。こんなに暑いんじゃ絵が傷まないかなぁ?逆に冬はかなりの寒さとのこと。こんな調子で何百年もこれらの絵は保存されてきたのだろうか?なんかルーブルやピカソ美術館ってかなり恵まれてるんだなぁ…と思ってしまった。
- あまり規模は大きくないし、展示絵画数もあまり多くはないが、この美術館に展示されている絵は、ルネッサンス期の絵も多く、また、私の好きな中世の宗教画も多く、とても興味深く見学した。ベネチア(共和国)の繁栄時、これらの絵が描かれたのだろうか?もしそうだとしたら、まがいなりにも「共和国」であったベネチアの栄華をしのぶことができる様な気がした。
4) San Giorgio Maggiore教会
- 美術館を出ると、San Giorgio Maggiore教会に向かう。Museiを発着するバポレットではこの教会には行けないので、San Marco広場で乗り換える(この教会は、San
Marco広場の対岸にある)。
- バポレットでSan Marco広場前から5分かからなかったと思う。San Giorgio Maggiore教会前に着く。この教会の目的は鐘楼。高いところからベネチアの中心部を見てみたかった。ちょっとの間、教会を見学すると、すぐに鐘楼に向かうエレベーターに乗る。
- エレベーターには神父(でいいのかな?かなり若い人だったが)がおり、ここで鐘楼への入場料を徴収された。鐘楼に出ると、すぐにベネチアの街を眺める。オレンジというか、レンガ色というか、そのような色の屋根がず〜っと続いている。
- その間に大きな運河がS字のように横たわっている。これがベネチアだ…。あちこちに見える、大小の教会、運河沿いの豪華な建物、ありのように小さく見える様々な船…。この街全体が実は人工島であり、無数の木の杭の上に立てられた街だとは信じがたい。
- 鐘楼の上から何枚か写真を撮る。多分、ベネチアにもう一度くるチャンスはなかなかないだろう。運河から眺めた数百年を生きてきた建物、悲惨な歴史を経て、今は静かに日々を送るゲットー地区、ベネチアの栄華を知りつつ、今も静かになにか語りたそうな教会の数々、明日の朝にはベネチアを離れるのが惜しくなってきた。炎天下じゃなければ良かったのに。久しぶりに感動を与えてくれた街だった。
と言うわけで、炎天下のベネチア編、ほとんど情報価値なしですがこれで終わりです。また長文になってしまった…。あ、そうそう、一緒にホテルに泊まった学生君は、この日の夜、夜行列車でフランスに戻っていきました。
私は、次の日一日かけて、Venetia-Milano-Bern-Strasbourgと移動しました。国境も2回越えました。
