Ho Chi Minh City (Saigon) 2 nights 3 days (2)
ベトナム旅行記、日記風に3回に分けて書いてみました。もちろん、Planet Club Mailing Listに投稿したものを、一部加筆訂正したものです。
2002年11月2日(土)
1. 出発
何故ベトナムに行こうと思ったか?最近パスポートを見て、そろそろビザが必要な国に行きたいなぁと思ったから。ちょうど11月2日〜4日がDeepavaliで3連休だし、近場でビザが必要な国…と思っていたら、ちょうどHISシンガポールの広告にベトナム2泊3日ツアーが出ていた。
妻に電話をさせると、その日のうちにAirの予約が入ってしまった(ホテルは第一希望が取れず、第二希望だった)。ということで、生まれて初めてベトナムへ行くことになった。
前日夜中、UAで友人とそのお母さんがシンガポールにやってきたが、車で空港からホテルまで送ったため、出発当日はもう12時と言うのに眠い目をこすりながらMRTで空港に向かうことになった。なお、友人の名誉のために書いておくと、その日の夜11時半まで仕事したのが一番の疲れの原因だと思う。
VNのカウンターの前に並ぶ。まだカウンターは空いていないが、とりあえず並ぶ。12時30分にチェックイン開始。チャンギ空港は何をとってもテキパキして気持ちがいい。女性職員がアオザイを着ているのが新鮮だった。
さっさと出国、免税店を物色し、Subwayで昼食を食べる。
1時半過ぎに搭乗ゲートに向かう。X線検査でつめ切りが引っかかる。おいおい、つめきりでハイジャックするやつがいるのか?ディバッグからつめ切りを出して係官に見せる。まぁ、没収もされずそのまま機内持ち込みになったが、あまりにも過敏すぎないかい?
待合室で待つうち、外は熱帯特有のスコールが降りだした。窓から外を見ると、大粒の雨がVNの機体に降り注いでいる。これじゃ出発が遅れるかも。
2. VN740
2時10分ぐらいにアナウンスが流れ、搭乗が始まる。お年寄り、子供づれ、ビジネスクラスにエコノミークラス、という模範的な順番で搭乗。
機体はB767。一見して古い内装だ。シートは15F、Gで窓側。後ろの席にはベトナム人が座った(スッチーとベトナム語で話していた)。
なかなか雨が小降りにならず、15分遅れの14:30に出発となった。雨じゃなかったら定時出発だったと思う。
離陸してしばらくすると食事が出る。ううっ、サンドイッチなんか食べるんじゃなかった。メニューは白身魚のフライ+ビーフンか、鶏肉+ライスのどちらか。私は魚、妻は鶏にしたが、どちらも味付けがとてもよく、おいしかった。UAやNWもせめてこのぐらいのレベルの機内食を出してほしいものだ。
ベトナムまで片道2時間弱、入国書類を書いて食事をしたらすぐに着陸態勢に入る。そのまえにトイレに行ったが、ドアを開けるとなかに乗務員のピギーバッグが山積みになっている。おいおい。あわてて隣のトイレに入った。やっぱりVNは社会主義国の国営会社だ。サービスを今ひとつ理解してないな。トイレもあまり清潔そうじゃなかったし。
後ろの席のベトナム人がスッチーと何か話しているが、当然ベトナム語なんてわからない。でもよく聞いてると、何度も「サイゴン」と言っている。「ホーチミン」とは言ってなかった。
3. タンソンニャット空港
なんかあっという間にベトナムに着いてしまった気がする。実フライトは1.5時間ぐらいか?午後3時半、強い日差しの中、VN740がタンソンニャット空港に着陸。窓から眺めると、かまぼこ型の戦闘機の格納庫が見える。ただし使われていないが。
VN740は沖止めになってしまい、ANAの機体の隣に止まる。そこからバスでターミナルに移動。ターミナルを見た印象は「古い、狭い」。多分南ベトナム時代に作られたのだろう、なんとなく60年代のアメリカのコンクリート建築みたいな印象。
エスカレータを上がると、入国審査。適当に列に並ぶが、これがまた処理が遅い!。一人を審査するのに1.5分から2.5分ほどかかっている。コンピュータでビザ番号を確認、画面に顔写真が出てきたら何かを入力。さらにパスポートの写真と本人を見比べる…。お〜い、はやくしてくれ〜。
待つこと10分、審査に2分。日本やシンガポールの処理速度の速さに慣れてしまうと、タイやベトナムの入国審査は信じられないぐらいにとろい。いや、ベトナムの処理速度はタイ以下である。
先に審査を済ませた妻と二人で税関に向かう。途中で入国者用の免税店があるが、酒やタバコと一緒に電化製品、しかもエアコンや冷蔵庫が売られている。おいおい、どうやってもって帰るんだ?
免税店の横を通ると次が税関。ここでも列に並ぶが、ここは入国用の書類を取るだけで、時間はかからなかった。ただ、荷物をX線に通さなければならない。入国時にX線を通ったのはベトナムが初めてだ。
しっかし、ベトナム最大の都市の空港がこんなに小さいのも驚きだが、こんなに非能率的な入国手続きはうんざりだ。
税関を出ると右手に外貨両替の小さなブースがある。ここでS$150を両替する。まぁ空港だからレートは悪いだろうけど、実質1日半しかないからいいか。レートはS$1=8,300ドン。150ドルだから合計で1,245,000ドン…。124万5千ドン?財布の中がお札だらけだ。
ターミナル出口から外に出ると、両脇にものすごい人垣ができている。中にはMr.だれだれ、と書かれたプラカードを持っている人もいるが、何でこんなに人がいるんだろう?と思いながら、実は自分でもプラカードを探している。左右どちらの人垣を見ても、私たちの名前の書かれたプラカードがない。おいおい、もう一度、空港の出口まで戻ってみるとああいたいた、右手に座っている女の子が私と妻の名前が書かれたプラカードを持っている。
その女の子に声をかけると、「こっちこっち」と言われ、人垣をかきわけて進む。そこで今度は男性に引き渡され、再度名前の確認。さらに4日のホテルピックアップの時間の確認。その後、もう一組のツアー客(この人たちもシンガポール在住の日本人)と一緒に車に乗り込み、サイゴンの街に向かう。
4. ホテルへ
車から見たサイゴンの第一印象は私の身勝手な想像とは違い、そんなに貧乏な街ではなさそうだ、ということ。サンパウロみたいにバラックが並んでいるかと思ったらそんなことはない。多分探せば、スラム街みたいなところもあるのだろうけど。
道路はバイクと車であふれんばかり、おかげでかなり排気ガス臭い。交差点には警官が立ち、手動で信号を操作している。歩行者用の信号もあるが、これがなんと日本と同じもの。ODAで日本から持ってきたか?
町中あちこちに看板が並び、新しい建物や店もどんどんできているようだ。外国の企業の看板もよく見かける。Tiger
Beerの看板があちこちにある。
時々見かける金星紅旗(ベトナムの国旗)や共産党旗(赤地に槌釜)がなければ、どこかの資本主義国と大差ない。う〜ん、ドイモイの進展ぶりがわかる。
バイクに乗っている人は顔にマスク、女性は腕を隠すぐらい長い手袋をしている(日焼け防止か?)。2人乗りは当たり前、3人乗りもまだまだ多い。運転マナーは中国並みか?いや、車が平気でセンターラインを割らないだけ中国よりましかもしれない。
ちょっと道が込んでいたためか、ホテルに着くまでに20分ぐらいかかった。
5. ホテル、Renaissance River Side Hotel Saigon
チャン・フン・ダオがサイゴン川を指差し、まるで「さあ、この川に飛び込め!」と言っているような像の前にRenaissance River Side Hotel Saigonがある。ドアマンが笑顔でドアを開けてくれる。中は日本人だらけ。ツアー客だろう。そういえば日本も文化の日で3連休だったな。たまに白人観光客もいるが。
HISからもらった予約票を見せて、チェックインを行う。部屋は1505号室。空港と違ってテキパキしたスタッフの態度は好感が持てる。
エレベーターで15階に上がり、1505室の扉にカードキーを入れる…が、空かない。何度やっても空かない。仕方ないのでもう一度カウンターに行く。「この鍵、開かないけど」と言うと、すぐに代わりの鍵をくれる。これでもう一度トライ。
確かに1505室のドアは開いた。しかし、その瞬間中から女性の声がした。中を見ると、シャワーを浴びたばかりだろう、バスローブ一枚の女性がいる。げっ!あわてて"Sorry!"と英語で言いつつドアを閉める。後ろにいた妻も驚き顔。
すぐにカウンターに戻る。「この部屋、先客がいるよ」と少々怒った声でカードキーをカウンターに投げる。えっと言うようなスタッフの顔。すぐに予約システムのキーボードをたたき出した。するとしまった、と言うような表情が一瞬浮かび、さらにキーボードをたたく手が早くなる。隣の女性スタッフに何か伝えると、彼女は新しいカードキーを機械に入れている。
すぐに「申し訳ありません、新しい部屋を用意いたしました。それにお詫びにフルーツを用意させていただきます」と言われる。最初もテキパキした手続きだったが、それにターボチャージャーをつけたような処理の早さに驚く。
今度の部屋は1002号室、恐る恐るドアを開けると、今度は誰もいなかった。ほっ。部屋に入ると、窓からサイゴン川が見え、渡し舟からバイクが吐き出されている。
快適そうな部屋なので満足。15分ぐらいするとフルーツが運ばれてきた。妻が喜ぶ。
ホテルで一息ついていると、窓の外が暗くなってゆき、あちこちに明かりがともされる。時計を見るとまだ6時にもなっていない。シンガポールより東に位置するのに、時差はシンガポール-1時間。おかげで日の入りが早い(シンガポールは7時ぐらいに日が沈むのが普通)。
6. 夕食、ナムアン
ホテルでのんびりしながら、妻と夕食をどこで取るか話し合う。ホテルのすぐ裏手に13、19というベトナム料理のレストランもあるが、Savico-Kinhdoまで歩けばNam-Anというレストランもある。とりあえず店の雰囲気を見ながら、どの店にするか決める、ということですっかり暗くなった通りに出る。
歩道は台湾並みにがたがた、そこに時々物売りが座っていてジュースやちょっとした食べ物を売っている。さらにレストランの客引きが声をかけてくる。13、19とも余り大きな店ではなく、中を覗き込むとベトナム人で満員。値段もわからないしやめておこう。
と言うことでドンコイ通りからSavico-Kinhdoまで歩く(ほんの1,2分)、その間にもタクシーの運転手から声をかけられる。ああわずらわしい!
声をかけてくる連中を無視しながらSavico-Kinhdoに入る。すると左手に赤い門のオープンスタイルのレストランがある。ここがナムアン。入り口にメニューの写真と値段が出ている。ここでいいか。中に入るとここも日本人だらけ。そりゃどのガイドブックにも出てるんだから仕方ないか。
機内食まで食べたせいか、あまりおなかがすいていない。仕方ないので二人で3品頼み、ビールを2本。"Four
Seasons"と書かれた前菜セット(生春巻き、揚げ春巻きなど)、バインセオ、ほうれん草とエビのにんにく炒め。味はまあまあかな。サービスも悪くなかった。オープンスペースなので少々暑いが、シンガポールに比べれば気温も湿度も低め。
食べ終わるころには店内は観光客で満員。勘定をお願いすると、192,000ドン。ぴったり出そうとすると「チップが入っていません、チップをお願いします」と言われる。ああそうですか、はいはい。チップを要求されると一気に気分が台無しだ。22万ドン払うとウェイターがにっこり笑う。日本円にすればチップの額は200円ぐらいだけど、チップを要求するのはあまり礼儀正しいとは思えない。
夕食を食べると街をぶらぶら、としたかったがサイゴンはあまり治安がよくないし、何よりも眠い。かえってとっとと寝ることにした。
続く
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